交響詩

繋がりのない低音の言葉ばかりだが
それでも今日は落ち着いて聞いていられる
これはあなたの心の交響詩なのだから
いくつもの楽器が奏でるように
あなたの感情はいくつもの思い出の多重奏
おい
また泣いた

カップにコーヒー注いだら
マーラー交響曲第五番「アダージェット」もどうかな
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森の奥で



あなたが怯えていた八つの音符で紡がれた
そこにしかない織物は
夜の冷たい川でなんども染められた幻想の世界
そして聴こえてくる九つめの誘惑の叫び
異端の絵画に連れ去られていく眩暈を覚えながら
あなたの吠える姿に
太陽の輝きが黒い鍵盤の上を叩いていく

飛沫



街は揺れているだろう
茜色の飛沫と共に
ひとつ両手で掬ってみれば
紫陽花のように
移ろいでゆく陽炎
瞳に映る乱舞に
惑わされ
それでも飛び散る
飛沫は
明日を運んでくる



制御のない朝の起動
太陽はいつまでも膨らみ
乱雑な鳥の鳴き声に光は拡散していく
二つの皿の擦れる音が
寝ぼけ眼の時間を砕き割り
名のない闘牛を歓声の輪の中に運ぶ

朝はこうして夜を寝かしつける
恐ろしい夢は霧に包まれて
明かされることはない
埋もれてしまう秘密の黒の書
歴史はもうひとつの物語を封印してしまう
そして始まる
見えない針の不規則なふれがいつまでも

ここは
点滅を繰り返す交差点
朝と呼ばれる清潔感漂う新緑の世界と
不気味なもう一つの時間帯

躍動を忍ばせて夜は片目をちらかせる
月は隠れてはまた現れる
星の輝きは狂気の爆発と正気の安産
見えない力で織りなす
過去への憧憬と無理数の新陳代謝
柵のない草原で牛が吠える

夜はそして朝を妬むだろう
乳牛までも絞られて

朝と夜
二つの酔いどれが運命を照らして回り続ける

北の桜

とっくに終わったよと
あきれ顔で南の国に言われそうだが
待ちに待った開花だ
長かった冬に別れを告げる合図だ

こんにちは
思い出を咲かせる
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