余白に



これからわたしはあなたを語るため
刻んでいこうと思う
最後の詩を
わたしの残された細胞に

おそらく書ききれずになるに違いないが
ごめんなさい
記憶は右貢の上の余白に

めくる指のぬくもりと一緒に閉じて

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不思議と書いてみる静寂な闇
完全な無は同時に底のない落とし穴
だからだろうか
誘われるように足が動く
見えないのでなくあらゆるものの内包
差し出された孤独が
標のない道を彷徨い途方に暮れる
美しく冷酷な神秘
自転する地球の半分は
異次元の宇宙に削り取られている

やがて


もの言わぬ時間が
周りの壁を白く塗っていく
それから
道も
樹々さえも
ただ空は青いままだ

あとひとつ
一冊の詩集がそのままにして

無音の部屋

 無音の部屋

音のない電話が置かれて
わたしはそこにはいなかった

涙がこぼれそうな音楽が流れて
あてのない悲しみはもうそこではない気がした

楽譜が全く読めないわたしは
楽器に触れても音を奏でることが出来ない

夜中の室内は音符も見当たらず
慰めも労わりも盲目の詩の書きかけで終わりそう

音が消えた電話が震えた
たたわたしはもうそこにはいなかった

風邪

 風邪


冬の群れが私を襲い
迷い込んだ高熱の森で誰かを叫ぶ
私の足腰の筋肉は溶けて
歩く音は電池の切れかけた時計
そして
この時だけは合法と見なされる白い粉を
何度も体内に注入する
四角い部屋が丸みを帯びて
とげのない代わりに水浴びの刑が始まり
悪魔がやたらと微笑む
あいつの正体は悪魔だったのかと
今更だけど気づき
温かい春の歌が聞こえてくるのを
今はただじっと待っている
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邑輝唯史

Author:邑輝唯史
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